全国災対連ニュース №72

 全国災対連ニュース 2011年2月25日 №72
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 霧島山「新燃岳」噴火の被災地へ
 全国災対連が先遣代表を派遣

 全国災対連の中山益則事務局長らは、2月19日から2日間にわたって、1月26日噴火した霧島山「新燃岳」噴火被害あっている宮崎県都城市の山田町や高原町の実情を視察しました。この現地視察先遣代表には、全労連・農民連・自治労連が参加しました。
 案内をお願いした有田都城市議と山田総合支所で落ち合い、3台の普通車で被災地を視察しました。集合場所の支所駐車場は、火口から18キロ地点。それでも降灰は0.5センチ程度積っていました。また、同駐車場には、旭川、室蘭、広島ナンバーの散水車や清掃車が応援に来ています。

 ホウレンソウ、白菜など全滅状態、畜産も打撃

 露地物野菜のホウレンソウや白菜畑などは、降灰によって全滅状態です。火山灰は、酸性が強く直接葉物に触れると茶色に焼けた状態。また、葉の部分だけ除去しても内部に灰が入っており、売り物にはなりません。また宮崎は、花の栽培地域で降灰により日光が遮断されることで、生産量が激減しています。太陽光と同じように降灰で花の受粉が妨げられています。日本有数の畜産業も打撃を受けています。視察した畜産農家では、畜舎の屋根に火山礫によって無数の穴が開いていました。また、火山灰によって倒壊している畜舎も目にしました。もともと、この地域では、雪害などはありませんから屋根の造りは波板程度のもの。雨が降った場合、土石流が起きる危険があるので、畜舎から牛や豚を避難させています。

 屋根の灰降ろし作業中に転落、20人余が怪我

 民家の屋根も降灰が積もっています。住民の関心が最も強い屋根の降灰除去作業は、専門家にやってもらわないと怪我のもとになります。すでに20人以上の方が屋根から落ちて怪我をし、脳挫傷で入院している方もいると報告されています。当日屋根から降灰除去作業をしていた方は、専門家で「命綱」を腰に巻きつけて作業をしていました。除去した降灰の集積地も視察しましたが、山盛り状態です。道路清掃で積もった火山灰は、行政の車で廃棄していきますが、農地や自宅の降灰は、自分でやらねばならず、集積所には自家用車に積んでくる方が数珠つなぎです。ただ高齢者の独り暮らしの方々の家は降灰が積もったままでした。

 農産物加工工場の仕事激減、労働者の解雇も

 火口から8キロの所にある御池小学校の校庭の降灰除去も始まっていました。重機が入り、校庭やプールなどに積った降灰をかき集めダンプに積んでいました。1月26日に噴火したわけですから、24日間校庭での行動は制約されていたことになります。
 マスクやごみ袋は、各家庭に配布されています。しかし、火口近くになるにつれ、往来を歩く人の姿はまばらです。商店や食堂に人影は見られず、中小零細商店も店を開いていません。現地の話では、農産物加工工場もたくさんあり、加工する農産物が全滅し仕事がない状態で、非正規労働者から首を切っており、雇用問題も生じていると報告がありました。
 最も被害が大きいのは、やはり農畜産業界です。その次に中小零細事業主の皆さん。そして観光業関係と雇用問題。昨年の豪雨災害、口蹄疫被害、鳥インフルエンザに続く「新燃岳」噴火災害です。宮崎県民に4重の苦しみを強いています。

 宮崎・鹿児島で被災者支援組織の立ち上げへ

 2月20日、宮崎市で全国災対連代表と地元労組・民主団体との意見交換が行われました。テーマは、「新燃岳」噴火災害被災者への支援です。この場には、14団体が参加しました。鹿児島県労連も参加。被害状況や被災者支援について、そのための支援組織の立ち上げです。
 宮崎県の諸団体から現状が報告され、降灰被害が広範にわたっていること。火山噴火災害が長期化すること。さらに地域経済に打撃が大きいことなどが報告されました。全国災対連からの代表は、この間の衆議院災特委の議論等を紹介しました。宮崎県は、「今後レベル4~5(現在レベル3)に引き上げられた場合とか、土石流が発生し人家に被害が発生する恐れが生じたら」災害救助法を決めるとしていることを紹介し、「死者が発生したら救助法を決めるとしているが、それでは遅い。ただちに知事が決断でき、具体的な被災者支援が可能となる救助法の適用を求めるべきではないか」と強調しました。
 宮崎県の民主団体は、ただちに支援組織を立ち上げ「災害救助法の適用を決断させる」具体的な対県交渉の実施を確認し、行動しつつ組織づくりを行うことにしました。また、鹿児島県からの代表も同様に支援組織を立ち上げることを報告しました。なお、被災地の代表からは、県レベルの支援と合わせて中央段階からの支援要請がありました。
 全国災対連は、この要請を受けて、3月上旬に激励・調査団の派遣を検討しています。