全国災対連ニュース №66

 全国災対連ニュース 2010年11月1日 №66
                  (全国災対連ニュース№66.pdf)
 奄美豪雨から10日 台風14号の直撃は免れる
  二百余人避難生活 長期化も


 記録的な豪雨で10月20日、浸水や土砂崩れで3人の犠牲者が出た鹿児島県奄美市の被災地は、20日以後も断続的に雨が降り続き、29日には台風14号の被害が心配されましたが、直撃コースからはずれたため大規模な被害はないものとみられます。
 地元新聞の報道や、いち早く救援活動を始めている奄美医療生協などの情報によると、電気、水道、電話回線などライフラインの復旧は急ピッチで進んでいます。しかし、29日現在、218人が避難生活を余儀なくされており、長期化が心配されます。
○鹿児島県災害対策本部がまとめた10月29日現在の被害状況は次の通りです。
 ◆人的被害=死者3人、軽傷2人
 ◆住家・非住家被害=全壊7棟、半壊4棟、一部損壊16棟
           床上浸水613棟、床下浸水889棟
 ◆被害総額=15億3725万円
  土木関係  6億1400万円
  道路関係  5億6000万円
  農産物     9400万円
  商工業・観光1億9200万円
○支援金、鹿児島県が1世帯20万円を支給
 支給対象は、年収800万円以下の世帯、前年度所得が600万円以下の小規模事業者。
○災害支援法が適用された市町
 災害支援法は、奄美市、大島郡龍郷町、大島郡大和町に適用されました。
○被災者生活再建支援法は手続き中
 被災者生活再建支援法は、鹿児島県が奄美市と龍郷町を対象に手続き中。
☆奄美市(10月1日現在2万37880世帯4万7205人)は、2006年3月20日に名瀬市(同1万9803 世帯3万9091人)、住用村(同837世帯1606人)、笠利町(同3140世帯6508人)の1市1町1 村が合併してできました。
 
 民医連、全労連が救援をよびかけ
 
○全日本民医連
 全日本民医連は10月22日、藤末衛会長名で「記録的な豪雨による被災者、島民並びに奄美医療生協の皆様に心からお見舞い申し上げます。全日本民医連は、被災者の救援や奄美地方の復興活動の支援に全力を上げます」との激励、見舞いを発表し、10月25日には現地を訪問・視察し、会長の見舞文と見舞金を届けました。奄美中央病院の専務とともに奄美大島を一周。最も災害の大きかった住用町、大和村を中心に視察、避難所を見舞いました。27日からは、奄美生協を中心に地域訪問行動を開始。全日本民医連の常任理事会は、全国的に義援金を要請します。(以上、全日本民医連・羽田事務局次長の報告による)
 
○全労連
 全労連では、鹿児島県労連への指導・援助と奄美地区労連への被災状況の掌握と指導をおこなっています。11月1日には、全国に救援カンパと救援ボランティアの取り組みを要請しています。
 
 
 全国災対連も支援をよびかけ
 
 全国災対連は、10月末に開かれた被災地復興推進交流集会(開催地・新潟県山古志)で中山事務局長が次のような提起をおこないました。
 ①すでに全国民医連、全労連が進めている救援カンパ、救援ボランティアなどを中心に、加盟各組織で地元の意向を受けながら、積極的な支援の取り組みをよびかける。
 ②被災地、被災県に支援のネットワークをつくって、きめ細かな救援・災県の支援をおこなうよう各中央団体から援助する。
 ③現地の事情を考慮しながら、適切な時期に全国災対連として激励・支援代表団を派遣することも検討する。
 
 
 全国災対連が「2010年秋の行動提起」
 
 被災地復興推進交流集会で全国災対連中山事務局長が報告した、災害被災者生活再建支援法の第3次改定に向けた「2010年秋の行動提起」と、「支援法」をめぐる状況の要旨は次の通り。
 
○5月から取り組みを始めた「個人署名」は、事務局到着分で1万5438筆(10月31日現在)。
 
○国会では、衆参両院の災害対策特別委員会で「支援法」改正の動きは出ていない。
 
○全国知事会は、災害対策特別委員会で議論を進めている。
 
○全国災対連の国会議員要請行動を11月19日(金)に予定している。
 要請議員は、災特委の議員を中心に取り組む。
 今回は、署名の提出でなく、要請書を準備する。